むかーし撮った懐かし写真なんかは誰でも持っていると思いますが、デジタル世代の
最近のキッズたちはともかくとして、フィルム時代に撮った写真のアルバムや、むかし
焼き増してもらった写真だとかは、相当に神経質に管理しておかないと実にあっさり
退色したりしてしまうので困ったものです。
思い出の写真が色あせたりカビが生えたりしてしまうのは悲しいですな。
ですからそうなる前に可能であれば、ここはぜひスキャナで取り込んでデジタル化
しておきたいところ。
というわけで、以前から懸案だった紙ベースの懐かし写真のデジタル化に乗り出しま
した。
以前MDやカセットテープ、ビデオテープなどのPCデータ化について挑戦中と
書きましたが、今回の写真についてもそのデジタル化プロジェクトのひとつです。
あとは紙ベースの書類やハガキ・手紙類も取り込めたらベストですけど、まあ、実際
問題量が多すぎて難しいでしょうな(笑)。取り込むスピードより増えるスピードの
ほうが早いから、
これ系のドキュメントスキャナでも用意しない限り、手動でチマチマ
取り込むのは無理ですな。個人でそこまでストイックにやれるのか(やる必要がある
のか)という問題もありますし、まあここはひとつ、プライオリティの高いものだけ
でも、というのが当面の目標。先は長いけど、ちょっとずつデジタル化していきたい
と思います。
さておき、これらのデジタル化の問題点は、量が多いとあまりに手間と時間がかかる
ために遅々として進まず、途中で頓挫しがちであるということ(笑)。
コツは黙々と事務的に取り込み作業をすることですな。
「Oh!この写真ナツカシーデスネー!!」とか始まってしまうと、大掃除中の新聞や
雑誌よろしく、いくら時間があっても終わらずに盛大にBadEndフラグが立ちます(笑)。
眺めるのは時間のあるとき、取り込み終わってからでよろしいので、ガンガンスキャン
に専念しましょう。コストもほとんどかからないので、取り込み前の写真の「いる・
いらない」判定もできるだけしないこと。どー考えても要らないものまで取り込む
必要はないですが、ちらっと見て、判断に迷うくらいなら取り込んでおしまいなさい。
いらなきゃPC側で捨てれば良いんです。このあたり、何気にポイントです。
あと、取り込みの段階で色調補正などを必要以上にしようとするとこれまた終了フラ
グのお知らせが届きます。こだわりがある人に多い傾向ですが、一枚一枚キャリブ
レーションなんざやってたらどうなるのか、よぉく考えてから作業に入りましょう。
可能ならICCプロファイルを埋め込んどいて、必要な写真だけ後で加工するなりしま
しょう。
同じフィルムであるなら、現像傾向や保存状態が似ているので、最初に退色補正や
ノイズ除去、シャープネスなどの必要な補正を調整してかけておいて、以降同じ設定
を適用してしまうのも手。もしくはこれらの処理は後でPhotoshopのバッチ処理で
一括処理。瞬殺してしまう方法もありますな。いずれにしても取り込みの段階で一枚
一枚補正しようなんざ思わないことです。
あと問題が解像度ですな。ディスプレイ鑑賞なら72~96dpiで十分……という説が
一般的で、確かにその通りなんですが、もし素材として使うとか印刷をするかもしれ
ないと思うのであれば、ディスクのスペースと作業時間が許せばという条件はつきま
すけど、できるだけ高解像度でとっておきませう。なんせ一度取り込みさえすれば
半永久的に劣化せずに残せますので、一度で完璧にしておくのが望ましい。その都度
アルバムを引っ張り出してきてスキャンしなおすのは大変だし、写真にも優しくない
ですから、ここは現実的な範囲でできるだけ高解像度で取り込んでおきませう。
実際に現実的な解像度は個人差があるとは思いますが、私の場合サービス版サイズ
なら600dpiを基準にしています。サービス版で600dpiは大きすぎと思われる方も
いらっしゃると思いますが、なるべく融通が利くようにしておきたい性格なもので
このくらいにしています。普通は300dpiもあればほとんど事足りると思いますので、
そこはお好みで。
ちなみに今のスキャナは1200dpi以上とかより高解像度で取り込めますが、これは
サイズ云々というより、取り込み時間的な問題で現実的ではないからおすすめできま
せん。ま、一枚試しにやってみればわかると思いますけど、何百枚単位で取り込む
つもりならやれといってもできないでしょう。そのくらい時間かかります。
(余談:じゃ、なんで過剰なほど高解像度で取り込む設定&性能がスキャナにある
のかといえば、あれは基本的にネガフィルムをスキャンするためのものなんですな。
ネガフィルムはご存知の通りプリントよりはるかに小さいですから、あれを引き伸ば
して取り込む際に使うことを想定しているのです。ご存知ない方のご参考までに。)
実際の作業実時間ですが、上記のような設定でウチで使ってるスキャナだと、だい
たい一時間で40~50枚取り込むのが限界ですな。
スキャン設定→写真セット→プレビュースキャン→自動補正が
うまくいかない場合手動補正→本スキャン→写真取り出し→新しい写真をセット
というルーチンで写真1枚、1分から1分半程度。
しかも取り込んで次の写真を仕込んで……という待ち時間が微妙な長さのため、片手
間でなにかしながらというのも難しい(笑)。せいぜいウェブ閲覧や、テレビ鑑賞って
ところでしょうか。結構忍耐の作業になります。この時間の有効利用は研究しがいが
ありそうです(笑)。
それでもまあ、100枚程度なら2時間もあればできるからなんとかなるでしょう。
問題はそれ以上の場合ですな。ウチはまだまだたくさんあるけど今回とりあえず取り
込もうと思っているのが1000枚程度あるので、何日かに分けてやっていってます。
ちなみに私の場合、保存形式はTIFFにしています。
JPEGのフットワークの軽さは魅力ですが、しょっちゅう使うわけではない写真、
だけど見たり加工して使ったりするときにのために綺麗に残しておきたいのであれば、
汎用性も考えてTIFFがよろしいんじゃないかと思います。アナログ画像の取り込みは
TIFF。デジカメは使い捨ての写真と分かってるときや急ぎの場合を除いてRAW。
必要なときに現像・加工・変換するなりして使っています。マスターに関しては、
基本「非圧縮or可逆圧縮」が自分のここ数年のトレンドです。
上の話に絡んでここで思うのが、デジタルデータとの付き合い方です。
どんなデータにしても、そのデータに対してどの程度「資産的価値」を見出すのか。
それがユーザーそれぞれの判断の分かれ道ですな。
不可逆圧縮された映像や画像や音声で事足りるのか、データベース的にすべてをなる
べく最良な品質で管理するのか。どれが正しい・良い悪いではなく、本当にその形式
や品質、管理方法でよいのかをあらためて考えてみる。そもそもPCのことがよく分か
っていない初心者は致し方ないとしても、相応に習熟しているユーザーは自分のPCに
格納されている生成されたデータについてもう少し頓着してみる必要があるのでは
ないかと思うのです。
そのデータ、本当に.xls(x)で恒久保存がベストですか?
その音楽、本当にmp3をマスターにしちゃってCDを処分しても問題ないですか?
汎用性は?将来性は?互換性は?将来、もしモニタの8K4K表示が当たり前になった
とき、その画像はその解像度で不足はないですか?
……これはまあ極論ですけど、高圧縮・低品質のものを、高品質にコンバートする
ことは難しいということをもう一度考えてみると変わってくるかもしれません。
「あらかじめ端折った上での正確さがデジタル」であることを再確認したうえで、
「デジタルは失われた情報は二度と戻らない」という基本に立ち返って保存する品質を
判断するべきではないかと、割と品質に頓着しないユーザーが増えているのを見て、
最近そういう風に感じています。携帯の待ち受けサイズの画像でただ満足してしまう
のと、待ち受けとマスターは別と理解した上で待ち受け画像を楽しむのとは違います
からね。
今後も増え続けるであろうデータについて、5年後10年後に「もっとこうしておけば
よかった」と思わないように、今、あらためて考えてみると良いかもしれません。
対策が早ければ早いほど傷は浅くて済み、後々面倒くさい思いをせずに済みます。
幸いストレージやメディアは大容量低価格化を進み続けていますし、たくさんデータ
を入れたからといってHDDは物理的に重くなったりかさばったりもしません。
使用頻度とデータサイズ・利便性のバランスを鑑みながら今から生成するデータだけ
でも見直してみてはいかがでしょうか。
「よほどのことがない限り、どうも今後もPCを生活に使っていきそうだ」と思う方。
今後PCを引退する予定のない方は、今一度自分とデータの付き合い方を見直してみる
のも一興ではないかと、最近そんな風に思ったりもするのです。
世界にひとつしかない、あなたが生成したデータ。もっと大切にしていきましょう。